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デジタル教科書教材協議会なるものが発足したようです。

気持ちはわかるんです。やりたいことも。
参加している企業さんも錚々たるものであり、学校に入り込めれば大量受注、メンテナンス等安定収入が見込めるわけですから必死です。

電子黒板は、民主党さんが政権を取った時に、教育の無駄のシンボルっぽく扱われていたのが、いつのまにか主導的に学校へ導入しようという方針転換がはかられていたのですね、知りませんでした。

デジタルデバイスが学習効果があるのかどうかは、結論どころかまだ検証中でしょうが、こちらの記事を読むと、今すぐにでも全国の学校に導入させる勢いですね。

う~ん、この件については、わからないんですが、それよりももっとやることがあるだろう、という気がしてならないんですよね。今、学校の先生でパソコンを「仕事」として使いこなせている人がどれぐらいいるのか、この協議会の人たちは知っているのでしょうか?

極端な例ですが、メールのやり取りがダメって学校さん結構知ってます。文章をオアシスで作ったからファイル取りに来てください、なんてのもありました。

情報の先生はこういった機器を使いこなせて当然ですが、職員会議で専門知識に走りすぎて、改善の提案をしても他の先生達から共感されない、なんて話も仲の良い情報の先生から聞きます。時間割作成のソフトを使える先生が学校で一人しかいないとか、それすら昔ながらの方法で作っている学校さんだってあります。

パソコンを使うことによって、プリントなど独自の教材をたくさん作れる先生がいれば、そうではない先生もいらっしゃるのも事実です。

しかも、デジタル化が進むと、ペーパーレスが進行するはずなのに、かえって印刷して打ち出すペーパー類が増えます。これは、民間企業でもOA化の初期のころにみられた現象で、今でもこれに苦しんでいる会社さんもあります。学校はこれからこういった弊害に悩まされると思っています。

そして、デジタル化が進むと、もうひとつのとんでもない問題が持ち上がる可能性があります。

民間企業ですでに起きています。それは、デジタル化は仕事を効率化し、簡素化し、効率よく仕事がこなせる便利なデバイスであったはずですが、便利になると人はもっと仕事をしなければならなくなります。仕事が圧縮できたから、時間が空いてゆとりをもった仕事ができるなんてことは現実としてありません。

効率化されたらすぐ別の仕事が割り込んできます。つまり、今以上の仕事の波に襲われるわけです。

例えば、一昔前なら出張で大阪に行くとしたら、その間パソコンでメールのやり取りはできない人が多かったわけです。その間パソコンに入ってある仕事だけをするか、しばしの休息を取ることができました。今はどうでしょう?携帯電話にデータ通信、WiFi、新幹線の無線LANなどなど、これでもかという通信設備の充実により、新幹線に乗っていようがメールはバンバン入ってき、刻一刻と変化する仕事にタイムリーに対応していかなければなりません。新幹線も新型は、仕事をさせるようにとコンセントまで完備です。

私は、いまだに飛行機移動だとこれがないから楽だな、などと、最近飛行機移動が好きになっています。飛行機だけは電子機器に強くなって欲しくないと切に願ってます。

教員のみなさまは出張は少ないかもしれませんが、デジタル化が進行することによる、日々の業務の増大化は、もはや防ぎようのないものになるでしょう。

それに加えて、教科書や黒板がデジタル化していくということは、習得しなければならない技術も増えることになります。技術は日進月歩では遅すぎる、ドッグイヤーと言われる程のスピードで変わっていきます。ハードもソフトも3年もすれば古くなってしまうのが現在であれば、これから先もっとスピードが上がるわけで、そのような状況に、教育そのものが耐えられるのかどうか不安でなりません。

みなさんはどう思われます?
2010.07.29 Thu l 教育ニュース l コメント (0) トラックバック (0) l top